金属缶は食品の保存容器として開発されましたが、その後、飲料容器として主要なものとなっていました。ところが、小型PETボトルが飲料容器として導入されると、瞬く間にPETボトルにとって代わってしまいました。PETボトルは種々の利点をもち、その1つにキャップの再封性(リシール機能)が挙げられます。イージーオープン蓋が取り付けられた飲料用金属缶にはリシール機能はなく、そこでキャップ付きの再封可能なリシール缶が開発されたと言う経緯があります。現在実用化されているリシール缶は3種類で、1つは、ポリエステルフィルムをラミネートしたアルミニウム素材から製造したDI缶体の底部に追加工を施してびん口を形成し、開口部に缶葦を巻き締めたものです。このリシール缶は、最初にピール容器として採用された。その後、炭酸飲料、緑茶飲料などに使用が拡大されていきました。もう1つのアルミニウム素材のものは、素材に潤滑剤を塗布後DI加工により缶体にし、外面の塗装・印刷を行った後、DI缶体の開口部に絞り加工を施してびん口を形成し、その後内面塗装を行ったものです。炭酸飲料、ジュース、コーヒーなどに適用されています。スチール素材のリシール缶も開発されています。これは、TULC素缶の開口部に追加工を施してびん口を成形したもので、ETCと呼ばれ、レトルト殺菌が可能である特徴をもっているため、コーヒー飲料などに適し、ホットベンダー適性も備えています。
金属缶