包装のはじまり

「包装」の「包」という字は、母体に胎児を宿す姿を表わしていると言われています。その根底には、大事なものを守りたいという心があるような気がします。日本の社会は、海外などから比較すると、包装文化に長けた人種であるとも考えられています。時に、過剰包装などと言われる、日本人の包装への気遣いは、大事なものを傷つけずに相手に渡したいという相手を大切に思う気持ちや、包む物品を大事にしたいという優しさの中から生まれているように感じるからです。まさに心を包み込んで届ける、渡すといった行為を日本人は大切な文化として、生活に根付かせてきました。その一つの形が風呂敷などに現れています。皆さんが、海外に行かれた時などに、チップを渡した経験はありますか?ホテルのロビーやタクシードライバーが、思いスーツケースなどを運んでくれた時などに、チップを渡しお礼を言う習慣がありますよね?その時に、支払った紙幣は、裸のまま渡すのが常ですが、日本ですと、ポチ袋に入れたり、和紙やテッシュなどで包んで渡すのが丁寧であるとされ、常識的な習慣として巷でみかける事ができます。同じチップを渡す習慣にしても、裸の紙幣では失礼であると考える日本人は、ポチ袋や小袋を持ち歩く気遣い日常生活の中にあります。包装は、思いやりと言われますが、日本人の包装へのこだわりは、相手への敬意をより強く表現しているのかもしれません。

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